【ネタバレ有】FF15をクリアした話
FINAL FANTASY XVクリアしました。
感じたことを書き留めておきます。
エンディングまでのネタバレを含みます。
最初はグラフィックのリアルさがインパクトあったけど、実際にプレイすると、人物描写がすごくリアルだと感じた。
チャプター1の最後で王都陥落のニュースを知ったノクトがキレたとき、最初はノクトが何考えてるのかわかんなかったんですよ。
でも、将軍に連れられて最初のファントムソードを手に入れに行ったとき、ノクトが自分の思いをポツポツと語ったのを聞いて、「ああ、あの場面では驚きや信じたくない気持ちとかが入り混じって、ぐちゃぐちゃになった結果キレてたんだな」と納得できた。
イグニスがノクトに対して落ち着けと言ったのも「本当の話だから受け入れろ」という意味ではなく、キレてる人に対して「ちょ、待って、落ち着いて」っていう方の意味だったんだな、と。
ノクトたちが説明的なセリフを言わないのが特徴的ですよね。
普通のRPGの主人公だと、王都陥落を知った時点で、打倒帝国を決意する展開になるけど、FF15では突然の事態に混乱する、という描写が挟まれる。
確かに、いきなり自分の父親が亡くなったという話と、故郷が滅ぼされたという話を聞いたら、普通どうすればいいかわからなくなるわ。
FF15は普通のRPGの主人公じゃなく、普通の人を描写したいんだ、と気付いて驚いた。それ以来、プレイしてる期間中、ノクトが何考えてるんだろう、っていうことをずっと考えてた。考察好きオタクなので、そういうことを考えるのは楽しかったです。
クリアした後から思うと、FF15は普通の青年が真の王に成長する過程を描きたかったんだな、と思う。ノクトは王子として生まれて、魔法という特殊な能力を使えるけど、ノクト自身は普通の人なんだよな。
突然国が滅んで、王の力を手に入れろと言われて、最初は状況に流されるだけだったけど、チャプター2の最後で自分の役割を受け入れて歩きだしたのがよかった。ノクトの背中から決意が伝わった。
でも、カーテスの大皿に行って、タイタンの力を得るあたりでは、ノクトの中で「やらなきゃいけないからやる」っていう感じで、やらされてる感があったんじゃないかと思う。
ジャレッドが帝国准将に斬られて亡くなったっていう話を聞いたとき、初めてノクトは自分で「俺が帝国を倒す」と口にするんですよね。さらっとした描写だったけど、状況に流されるだけだったノクトが自分の意志で戦うことを決めて、とても精神的に成長した場面だったんじゃないかな。
どうしてノクトは自分の考えを上手く伝えられないキャラクターにしたんだろう、って考えてたんだけど、重すぎる雰囲気にしたくなかったからかなー、と思う。
FF15は父の死と故郷の滅亡から始まり、決して明るいとはいえない展開が続くけど、ノクトが辛い思いを表に出しすぎると、ゲームの雰囲気が暗くなりすぎてプレイヤーが辛くなる。
ノクトの視点を通じて、青春とか仲間との絆とか、きらきらしたものをプレイヤーに感じてほしかったから、あまり重い雰囲気になりすぎないようにしたかったんじゃないかな。
フィールドで仲間が色々喋ってくれるの、とてもいいですよね。最高。斬新だし、仲間をとても身近に感じられる。
FF15の仲間はただついてくるだけじゃなく、主人公が行こうとしてる方向を予測して自分で移動するし、場所に合わせたセリフを喋るから、楽しく旅してるのが強く実感できる。
そして、仲間に対して強い思い入れを持たせることで、ストーリー上でも強烈な演出効果を発揮してる。
イグニスの目が見えなくなったときめちゃくちゃ悲しかったし、鉱山で仲間と険悪になってるときプレイするのが辛くて胸が痛かったし、チャプター13で一人で要塞を探索してるときめちゃくちゃ不安だったんだけど、仲間が戻ってきてすっっっごい安心した。
そして何より、エンディングの「俺、お前らのこと好きだわ」が心に響いた。めちゃくちゃ泣いた。
プレイヤーの自分自身が仲間のことを大好きになってるから、ノクトのセリフに共感して泣けちゃうんだよね。仲間との絆の描きっぷりが見事。そこがFF15の一番いいところだと思います。
今までのRPGの仲間が一緒に戦うメンバーとしての記号のように感じてしまうくらい、FF15の仲間は自分の中で濃密な存在になった。
プロンプトは癒し。大好き。『ノクトの寿命が長くないことも知っているため「仲間との旅を写真で残しておこう」と考えて写真を撮っている』っていうのだけで泣ける。めっちゃいい子や！
グラディオとイグニスは元々の能力が高いから何でもそつなくこなせるタイプなんだろうけど、プロンプトは努力の人なんだよな。モーテルでプロンプトの思いを聞けてよかった。
写真見るのめちゃくちゃ楽しいんだよねー！ たまに変なの撮れててめっちゃ笑った。
イグニスはオカン。料理のことだけじゃなくて。
「最近一緒に話す機会がなかったから」と朝食作りに誘ったり、鉱山のイベントの最後で「ノクトには考える時間が必要だ」と言ったり、ノクトへの思いやりが完全にオカン。イグニスの優しさ、ありがてぇ…。
イグニスとプロンプトはノクトを中心に考えてる感じがあるけど、グラディオはもっと広い視点で物事を考えてるんじゃないか。戦いで犠牲になった人とか、世界の異変に巻き込まれて、救いを求める人のこととか。
世界中の人々のために、ノクトには立派な王になってもらわないといけない。だから厳しいことも言う。グラディオは情に厚い人だから、他の人のことを思うと、うじうじしてるノクトが許せないんじゃないか。
プレイヤーはどうしてもノクト視点になってしまうから、グラディオは反感を買いやすいのがなぁ。
ノクトが自分の気持ちを上手く言えないタイプだからこそ、最後のキャンプでノクトが自分の素直な気持ちを伝えたのがぐっとくる。ノクトのことをよくわかってるから、「言えたじゃねーか」と「聞けてよかった」っていう言葉が出てきたんだよな。
「胸をはって生きろ」は王としての最後の言葉で、「お前らのこと好きだわ」は友達としての最後の言葉なんだと思う。
エンドロールで今まで保存した写真が流れるのは、死にゆくノクトが最後に見てる走馬燈なんじゃないかと思ったんですがどうでしょう。最後に楽しかった旅の思い出を見てたんじゃないかな。
お父さんの最後の言葉を、同じ場所で最後にノクトが仲間に言う、っていうのが熱い。レギス陛下は王としてだけでなく、父親としても立派な人物だと思う。
ノクトは優しい性格に育ったし、調印式の前にノクトを国外へ行かせたおかげでノクトは生き残ったし。
「王としてではなく、父として別れたかった」っていうのが泣ける。王の間から出て、外でノクトを呼び止めたのはそのためだったのか…。
ノクトはあれがお父さんとの最後の会話になってしまったのを、ずっと後悔してたんだろうな。ノクトがお父さんに一番言いたかったことは「一緒に暮らせて幸せだった」っていうのがいい。
エンディングでレギス陛下はノクトに背を向けてるけど、ノクトが歴代王の力を授かるとき、激しい苦痛を受けるのを見るのが辛かったんだろうな。だから最後まで剣を刺そうとしなかったんだろうし…。結婚式のとき、レギス陛下が「最高の息子です」って言うのが泣けた。
FF15、かなり楽しかったし感動したけど、不満な部分もありました。
①. 写真の保存可能枚数が少ない
150枚なんてすぐ埋まっちゃうよ！ エンドロールで流すために制限があったんだろうけど、プレイ中は「保存可能枚数少なすぎ！ あと10倍は必要！」ってキレてました。どの写真も消したくなくて、めちゃくちゃ悩んだよ…。
②. ノクトが光陽の指輪をはめるのをためらう理由がわからない
わたしの理解力が足りないせいもあるだろうけど、なんで指輪しないのかわかんなくてノクトにイライラした…。
③. レイヴスが何考えてるのかわからない
映画でルーナと敵対してたよね？ けど回想シーンでは妹思いなお兄ちゃんになってて、腕を焼かれたあと彼の中でどんな心境の変化があったのかわからなかった。
④. ルーナの存在感が薄い
仲間の印象が強すぎて、ヒロインであるルーナが印象に残らなかった。
ノクトは12年間手帳のやり取りをしてたからすごく親しくなってるけど、プレイヤーには12年分の思い出は無いので…。
最後の結婚式のシーンは「二人ともよかったね」とは思ったものの、「お前らのこと好きだわ」よりかは泣かなかったのが正直なところ。
ルーナ自身に対しては、使命のために生きた立派な人物だと思ってます。映画でも一人で一生懸命歩いてたし。
けど、映画はニックスとレギス陛下の印象が強すぎて、ほかのキャラクターはそんなにって感じだったんだよな…。
もやっとした部分もあったけど、とても楽しめたのでよかったと思ってます。仲間は最高。
最後に、お気に入りの写真を載せます。
